
フィットくん、ピックルボールを始めたんですけど「キッチンに入っちゃダメ」って注意されました……。キッチンって、そもそも何なんですか?

それ、初心者がいちばん誤解しやすいところなんだよ。実は「入ってはいけない場所」じゃなくて「ボレーをしてはいけない場所」なんだ。今日はそこを一緒に整理しよう。
ピックルボールの「キッチン」は、ネットのそばにある四角いエリアのことです。結論から言うと、キッチンは「入ってはいけない場所」ではなく「ボレー(ノーバウンドで打つこと)をしてはいけない場所」です。この違いを知らないまま試合をすると、思わぬ場面で反則を取られてしまいます。この記事では、キッチンの基本ルールと、初心者が特に間違えやすい5つの反則パターンを、図解がなくてもイメージできるように順を追って説明します。まずはピックルボールのルールを簡単に|初心者が最初に覚える基本と始め方で全体のルールをおさらいしてから読むと、より理解しやすくなります。
キッチン(ノンボレーゾーン)とは?ネットから約2.13mのエリア
キッチンとは、正式には「ノンボレーゾーン」と呼ばれるコート上のエリアのことです。公式ルールによると、ネットの両側それぞれ7フィート(約2.13m)以内のコートエリアがノンボレーゾーンにあたり、通称「キッチン」と呼ばれています。
ここで見落としがちなのが、ゾーンを区切っているライン自体もキッチンに含まれるという点です。つまり「ラインの外側に立っているから大丈夫」ではなく、ラインを踏んだ状態でボレーをすると、それだけで反則になります。コートの内側か外側かではなく、ライン上も含めて「キッチンの範囲」だと覚えておきましょう。

なぜこのようなエリアが設けられているかというと、ネットのすぐ近くで強いスマッシュを打たれてしまうと、初心者はもちろん経験者でも返球が難しくなり、ラリーがすぐに終わってしまうからです。キッチンがあることで、ネット際からの強打が制限され、初心者同士でもラリーが続きやすくなっています。サーブやレシーブの基本ルールも合わせて知っておきたい方は、ピックルボールのサーブ入門|打ち方と基本ルールを解説もあわせてご覧ください。
「ピックルボールの禁止区域の通称は?」の答えは“キッチン”
クイズなどで「ピックルボールの禁止区域の通称は?」と聞かれることがあります。答えはキッチンです。正式名称は「ノンボレーゾーン」で、ネットの両側それぞれ約2.13m(7フィート)の区域を指します。この中ではノーバウンドで打つ(ボレーする)ことができないため、「禁止区域」と呼ばれることがあります。
キッチンで反則になる5つの場面

「ボレーをしてはいけない場所」というのは分かりました。でも、具体的にどんな場面で反則になるんでしょうか?

いい質問だね。公式ルールをまとめると、反則になる場面は大きく5つあるんだ。一つずつ見ていこう。
USA Pickleballのルール要約では「ボレーの際にノンボレーゾーン(ラインを含む)を踏んだ場合、また勢い(momentum)で自分や身に着けている物・持っている物がゾーンに触れた場合は反則」と定められています。これを具体的な場面に分けると、次の5つになります。
- ボレーをするときに、足がキッチンのラインを踏んでいた場合
- ボレーをするときに、足がキッチンの中に入ってしまっていた場合
- ボレーをした後、その勢い(モメンタム)で体がキッチンの中に入ってしまった場合
- ボレーをした後、その勢いで身に着けている物(帽子やサングラスなど)がキッチンに触れてしまった場合
- ボレーをした後、その勢いで持っている物(パドルなど)がキッチンに触れてしまった場合。これはボールがすでに「デッド」と宣告された後であっても反則になります
特に最後の「ボールがデッドと宣告された後でも反則になる」という点は見落とされがちです。ポイントが決まった瞬間に安心して踏み込んでしまい、後から反則を取られるケースも珍しくありません。ボレーをしたら、ボールの行方だけでなく自分の足元まで意識を向ける習慣をつけましょう。
キッチンに入っていい場面・戻り方
反則の場面ばかり聞くと「キッチンにはできるだけ近づかない方がいいのでは」と思うかもしれませんが、それは誤解です。ルール上、ボレーをするとき以外は、いつキッチンの中にいてもかまいません。ここが「入ってはいけない場所ではない」という結論につながる部分です。
例えば、相手が打ったボールが一度バウンドしてから返す場合は、キッチンの中に入ってそのボールを打っても問題ありません。しかも、一度キッチンに入った後は、そのまま中にとどまってバウンドしたボールを打ち続けることもできます。ここまでは自由に動いて構わないルールです。ディンクのようにバウンドしてから打つショットなら、浅い球に対してキッチンのラインを踏んで入って打ってもよいと言われています。
ただし一つだけ条件があります。それは、次にボレーをする前に、両足をキッチンの外に戻しておく必要があるということです。バウンドしたボールを打った流れのまま、足がキッチンの中に残った状態で次の球をノーバウンドで打ってしまうと、前の章で説明した反則になってしまいます。

ちなみに、ボレーのルールと合わせて知っておきたいのが「ツーバウンドルール」です。サーブを受けるレシーブ側(2打目)と、その返球を受けるサーブ側(3打目)は、どちらも一度バウンドさせてから打つ決まりです。これは打つ場所を決めるルールではなく、「最初の返球はバウンドさせてから打つ」という順番のルールです。4打目からはボレーもできるようになるので、そこからはキッチンのルールを意識してプレーしましょう。なお、サーブ側は、サーブのあとにすぐ前へ出るとフォルトになるので、1回は後ろで待つのが基本と言われています。また、ドロップなどでキッチンの近くまで来たら、すぐ下がらず、下がってもすぐ戻って前で構えることが大切と言われています。サーブとレシーブの流れを詳しく知りたい方はピックルボールのサーブ入門|打ち方と基本ルールを解説を、ダブルスでのスコアの数え方が気になる方はピックルボールダブルスのスコアコール完全ガイド|偶数奇数で迷わないもあわせて参考にしてください。
初心者がつまずくポイントと練習のコツ

ルールは分かってきました。でも実際にプレーすると、つい足元がおろそかになりそうです……。

そうなんだよ。実際、初心者がつまずくのはほとんどここなんだ。頭で分かっていても、体が反応しきれないんだよね。
キッチンのルールで初心者がつまずきやすいのは、頭では理解していても、プレー中は目の前のボールに意識が向いてしまい、足元まで気が回らなくなることです。特にラリーが速いテンポで続いているときほど、勢いのまま前に出てしまい、気づけばラインを踏んでいた、というケースが多く見られます。
これを防ぐための練習のコツは、いきなり速いラリーで練習するのではなく、まずはキッチンライン付近でのバウンドショットの練習、いわゆる「ディンク」の練習から始めることです。ディンクは相手コートのキッチン内にふわりと落とす柔らかいショットで、キッチンとの距離感や、打った後に足をどこに置くかの感覚を養うのに向いています。ディンクの基本を練習方法から知りたい方はピックルボール初心者必見!ディンクで勝つための3ステップ攻略法を参考にしてみてください。バックハンド側のディンクが安定しないという方にはバックハンドディンクが安定しない人へ|打点と重心のコツも役立ちます。
もう一つのコツは、練習のときから「ボレーをしたら一歩下がる」という動きをワンセットの動作として体に覚え込ませることです。ボールを打つことと、キッチンから離れることを別々に考えるのではなく、最初から一連の動きとして繰り返し練習しておくと、実戦の速いテンポの中でも自然に足が動くようになります。
まとめ
今回のポイントを振り返ると、キッチンは「入ってはいけない場所」ではなく「ボレーをしてはいけない場所」であり、ボレー以外の動きであればラインの中に入っても問題ありません。反則になるのは、ボレーの瞬間に足やライン上に触れているとき、そしてボレー後の勢いで体や持ち物がゾーンに触れてしまったときです。逆に言えば、バウンドしたボールを打つ分には自由に動いてよく、次にボレーをする前に両足を外へ戻すことさえ意識できれば、大きな反則は防げます。
次の一歩としては、まずは家族や友人との練習で「ボレーの前は必ず足元を見る」ことだけを意識してラリーをしてみましょう。そのうえで、キッチンライン付近でのディンクの打ち合いを取り入れていくと、ルールと感覚の両方が自然に身についていきます。ルール全体をもう一度確認したい方はピックルボールのルールを簡単に|初心者が最初に覚える基本と始め方を、試合形式で練習する際のスコアの数え方はピックルボールダブルスのスコアコール完全ガイド|偶数奇数で迷わないもあわせてチェックしてみてください。
参考
公式ルール https://www.pickleball-japan.org/rule
USA Pickleball「Rules Summary」 https://usapickleball.org/rules/summary/


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